湯せんぺいとは
湯せんぺいとは、小麦粉、砂糖、卵、重曹に温泉水を加えて練り上げた、
ほんのり甘いサクッと香ばしい、ウエハースのようなお菓子です。
明治初期、まだ島原城にお殿様がいた時代、
温泉好きのお殿様に献上する菓子として製造されたのが起源とされています。
独自の配合
遠江屋の湯せんぺいが使用する小麦粉は、厳選を重ね抜いた二種類の中力粉。試行錯誤の末、独自の配合率でブレンドすることで、美しい焼き目と、サクサクッとした軽い歯ざわりにたどり着きました。
温泉水へのこだわり
「湯せんぺい」の語源にもなっている温泉水は、活火山・普賢岳の自然の恵み。雲仙市内に湧き出る三種類の源泉の中から、お菓子に最も適した、ほど良い塩加減の食塩泉を使っています。職人自らが源泉までくみ取りに行き、煮沸殺菌したものを生地に練りこみます。
胃腸病に効くとされた温泉入りの湯せんぺいは老若男女、今も昔も地域に愛されるお菓子となりました。
手作業で焼く
4枚分の湯せんぺいを一枚の鉄板で焼き上げる回転式四枚焼きは、純一枚手焼き製法と同じように、職人が一つ一つ、手作業で行います。その日の気温に合わせて生地の緩さを調節し、170度近くまで上る焼き立ての湯せんぺいを4枚一気にはがし、みみをハサミで切り取っていきます。
焼きたては手袋をしていても熱く、じっと持ってはいられません。しかし職人はその熱に耐え、美しい湯せんぺいが焼きあがるよう、丁寧にはがしていきます。職人の指は、熱に耐えた分、分厚く固くなり、スマートフォンの指紋認証も難しくなるといわれています。
みみ裁断にも技あり
遠江屋が誇るのは、焼き上がりの美しい湯せんぺいです。完璧に丸いフォルムにするために、職人が手作業でハサミを入れて丸く切りとります。
ハサミの腕を動かさず、せんぺいを回しながら切るのが職人技。せんぺいが、軽い歯ざわりだからこそ、なせる技です。